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法人向けPC市場、特に学校(文教)分野では、生徒の過失による故障(物損)への保証が導入の前提条件となるケースが少なくない。しかし、メーカー側がその保証体制と受付窓口をゼロから構築するには、膨大な業務負荷とコストが発生する。PC専門店「ドスパラ」を運営し、顧客の要望に応じた仕様で製造するBTO(Build to Order)パソコンを手掛ける株式会社サードウェーブは、ワランティテクノロジーの物損付き保証サービスを導入。自社の既存サポートフローを一切変更することなく、この課題を解決した。今回は、法人アカウント営業部 部長の荘司(しょうじ)氏に、サービス導入が「安心して導入できるPCメーカー」としてのブランド構築と、営業活動にどのような変革をもたらしたのか、その舞台裏を伺った。
1. 「物損保証がないと、検討のテーブルに乗らない」 文教市場の“壁”
—— まず、荘司様が管轄するインダストリー課の役割と、物損保証サービス導入以前の状況についてお伺いします。当時はどのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか?
荘司氏: 私が管轄するインダストリー課は、2023年の8月に新設された部署で、主に文教(学校)分野と、映像・ゲームといったエンタメ分野のお客様に特化した営業チームです。
サービス導入前の課題は、大きく2点ありました。第一に、最大のターゲットである文教分野のお客様から「生徒の過失による故障(物損)」を保証できないかというご要望が非常に多かったこと。第二に、法人向けのPC市場は競争が激しく、弊社製品のスペック以外でいかに「差別化」を図るかが必要だったことです。
—— 御社は「ドスパラ」ブランドで個人(ドスパラ会員)様向けのセーフティサービス(物損保証)を既にお持ちでした。法人向けには転用できなかったのでしょうか?
荘司氏: おっしゃる通り、個人様向けのサービスは従来から存在しました。しかし、契約主体やサポート窓口が異なる法人様、特に学校様向けのスキームとしてそのまま提供することは難しく、実質的に「法人向けの物損保証サービス」を弊社は持っていなかったのです。
そのため、お客様から「サードウェーブの製品を使いたいが、物損保証がないと検討のテーブルに乗らない」とお断りされてしまう案件も実際に存在しました。お客様のご要望に対し、弊社がカバーできていない領域だったのです。
2. 決め手は『既存スキームの変更ゼロ』。コールセンターごと委託する柔軟性
—— まさに機会損失が発生していた状況ですね。そこでワランティテクノロジーのサービスを検討されたわけですが、パートナー選定において重視された点は何でしたか?
荘司氏: 重視したのは2点です。保証事故を幅広くカバーできるという「保証範囲」と、なにより「弊社の既存業務の負荷を一切増やさないサポート体制」が構築できるか、という点でした。
—— 「業務負荷を増やさない」とは、具体的にどのような点でしょうか?
荘司氏: 弊社には、綾瀬市(神奈川県)の工場を起点とした既存のサポートスキームがあります。ワランティテクノロジーさんは、弊社の既存スキームを一切崩さない形で、物損保守のフローをゼロからカスタマイズしてくれたのです。
特に大きかったのは、物損保守に関する電話受付(コールセンター)から保険業務の代行まで、すべてをお任せできる点でした。これにより、弊社のサポート部門の業務を一切増やすことなく、新しい保証サービスを導入することができました。
—— メーカー側のサポート体制に、いわば「アドオン」する形で導入できたと。
荘司氏: まさにその通りです。我々もPCのカスタマイズを行っていますが、サポート部分をここまで柔軟にカスタマイズいただけた。複数の保証サービスを比較検討しましたが、弊社の既存スキームにここまで柔軟に対応できるのは、ワランティテクノロジーさんだけでした。「ここしかいないな」というのが正直な感想です。
—— 保証内容の面ではいかがでしたか? 一般的に、こうした保証は年々補償額が下がっていく(減価償却)ものも多いですが。
荘司氏: それも重要な決め手です。他社の保証サービスでは、経過年数に応じて保証上限額が下がっていく(減価償却)ものが多かったのです。それに対し、ワランティテクノロジーさんからは「例えば在学期間中、3年目や4年目に故障した場合でも、購入時の価格を上限として保証する『新価特約』」のご提案をいただきました。
これはお客様(学校や法人)にとって非常にメリットが大きく、我々も「在学期間中、安心して使っていただける」と自信を持って提案できる内容でした。
3. 「自信を持って提案できる」 営業の“武器”となった物損保証
—— サービス導入後、現場の営業担当の皆様や、お客様からの反応にはどのような変化がありましたか?
荘司氏: まず、我々営業自身が「安心して弊社製品をご提案できる」ようになったことが一番大きいです。
物損保証があることが前提となるご案件は多く、「物損も対応可能です」と自信を持って言えることは、営業にとって非常に心強い“武器”になっています。
—— お客様、特に課題であった文教分野からの反応はいかがですか?
荘司氏: 従来「物損保証がないと導入できない」と言われていた場面で、導入のハードルが明確に下がりました。
結果として、従来は導入のハードルが高かった新入学生向けのBYOD(Bring Your Own Device)案件などで、お引き合いや導入実績が確実に増加しました。文教分野でのPCシェアは着実に向上しています。具体的な数値の開示は控えますが、「物損保証がない」ことを理由に検討のテーブルにすら乗らなかった状況が打開され、成果は予想以上に出ております。「安心して導入できるPCメーカー」というブランドイメージの向上にも繋がったと実感しています。
4. 専門企業との連携で、自社リソースをコア業務に集中させる
—— 導入からサービスインまで、非常にスムーズだったようですね。
荘司氏: はい。契約締結からフロー構築まで約6ヶ月と聞くと長く感じるかもしれませんが、弊社の既存スキームに合わせたコールセンターの立ち上げや業務フローの設計など、ゼロからの構築でした。ワランティテクノロジーの営業担当である長谷川様、岡野様のレスポンスが非常に良く、サービス開発の知見も共有いただけたため、社内のサポート部門や関連部門との連携も滞りなく進み、非常にスムーズに実現できました。
—— 今回の物損保証サービスを、今後どのように発展させていくご予定ですか?
荘司氏: まずは、保証サービスを組み込んだ法人様向けのパッケージプランを継続し、次年度以降の「おかわり」(継続導入)に繋げていきたいと考えています。また、「物損保証付き」をフックにした販売促進キャンペーンなど、マーケティング部門での活用も進めていきます。
—— 最後に、サードウェーブ様と同様に、メーカーとして延長保証サービスの導入を検討している企業へ向けて、ワランティテクノロジーを推薦するとしたら、どの点を評価されますか?
荘司氏: やはり、「保険の代理業務から修理の受付(コールサポート)まで」をワンストップで、しかも弊社の既存スキームを一切変更せずに構築いただけた点です。
保証という専門領域を信頼できるパートナーに任せることで、我々は自社のリソースをPCの企画・製造というコア業務に集中させることができます。「安心」という付加価値は提供したい、しかし自社の業務負荷は増やせない。このジレンマを解決できるのが、ワランティテクノロジーさんとの連携です。
専門企業と連携し、自社の業務負荷を増やすことなく「安心」という価値をお客様に提供できる。これは、メーカーにとって非常に大きなメリットだと確信しています。
■ インタビューを終えて:「既存業務」を守り、「新規市場」を開拓するパートナー
サードウェーブ様が直面した、「文教市場進出に不可欠な『物損保証』の提供」と、「導入に伴う『既存サポート体制への業務負荷』」というジレンマ。これは、BTO(Build to Order)という独自の製造・サポート体制を持つメーカーが、新たな市場へ進出する際に直面する特有の“痛み”と言えるでしょう。
ワランティテクノロジーは、単なる保証サービスの提供者ではありません。その「既存スキームを一切崩さない柔軟な業務設計力」、物損受付の「コールセンター機能の包括的な代行」、そして「新価特約」に代表される競争力のある保証内容。この三位一体のソリューションは、サードウェーブ様にとって「文教分野でのシェア拡大」や「営業担当者の自信ある提案」という具体的な成果をもたらす、戦略的な“武器”となりました。
「物損保証がないと、検討のテーブルに乗らない」「既存スキームの変更ゼロで導入できた」。現場の切実な声と導入の決め手を表すこれらの言葉こそ、ワランティテクノロジーがクライアントの重要な業務インフラを守りつつ、未来の事業利益を「共に創り出すパートナー」であることを物語っています。
